【配信スタート】第63回鎌倉まつり「静の舞」オンライン配信
花柳流 花柳 静美々(2021年4月11日撮影)
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※生配信ではございませんのでお好きなタイミングでご覧いただけます
「静の舞」あらすじ
静御前が、愛する義経をしのんで舞う
鎌倉時代の正史とされる「吾妻鏡」によると、鎌倉幕府を開いた源頼朝は、平家追討に武勲のあった弟義経と不仲になり、義経追討の兵をあげます。義経は京の白拍子《静》とともに、武蔵坊弁慶らわずかな手兵をつれて吉野山に逃れました。
頼朝側の追手が迫る中、義経一行は山伏姿になって東国に向うことに。静には金銀を持たせ、供の者をつけて京都へ送らせました。ところが、途中で供の者たちに金銀を奪われ、山の中に置き去りにされた静は捕らえられてしまいます。その後、鎌倉の頼朝のもとへ送られ、義経の行方を厳しく問われますが、静は答えません。
頼朝とその妻政子は、舞いの妙手として京で名高い白拍子静の舞いを見たいと、静に鶴岡八幡宮での舞いを求めます。病気を理由にその申し出を断っていた静も、熱心な求めに観念し、ついに舞の舞台に上ります。その舞台で静はこのように詠い、舞いました。
よしの山 峰の白雪ふみ分けて いりにし人の あとぞこいしき
訳:吉野山の白雪を踏み分けて奥州に消えたあの人《義経》の跡が恋しく思われる
しづやしづ しづのをだまきくりかえし 昔を今に なすよしもがな
訳:「静、静」と繰り返し私の名を呼んだあの人が輝かしかった頃にまた戻りたいものだ
そのあでやかな美しさは、居並ぶ幕府の者たちを感動させましたが、頼朝は「自分に逆らう義経を恋い慕う歌を詠い舞うとは不届きだ」と激しく怒ります。それを見た政子は、かつて自分が頼朝を思い慕った日々の女としての苦しさ、悲しさを教え諭して、頼朝の怒りをなだめます。
おかげで処分を免れた静は、市内の片隅に住居を与えられ、お腹に宿していた義経の子である男の子を産みましたが、「男子を生かしておいては将来に禍根を残す」と、幕府はその子を取り上げて由比ガ浜の海に沈め殺めてしまいます。傷心の静は京に帰されますが、それ以来静の消息は途絶えました。
静御前のこの悲しい物語は、以後も人々の胸に残り、語りつがれ、謡曲や浄瑠璃にも作られて、今に残されています。
▲第63回鎌倉まつり「静の舞」チラシ(クリックすると拡大します)▲
「静の舞」演者インタビュー
花柳流
花柳 静美々(はなやぎ しずみみ)
花柳流師範 花柳花静女師に入門。
2004年より花柳家家元直門、花柳花人師に師事し、現在に至る。
Q1.「静の舞の」の演者に決まった感想を教えてください。
各流派の舞踊家の皆様、師匠花柳花人と先輩花柳梅楽、花柳花鈴人、花柳花紀人に続きまして「静の舞」奉納の舞台を務めさせていただますことは、誠に身の引き締まる思いです。
静の想いを表現すべく一生懸命務めさせていただきます。
Q2.「静の舞」の見どころを教えてください。
義経が兄と慕った頼朝は今や敵となり、御家人が居並ぶ敵陣で頼朝の命に従い回廊の舞台に立ちます。白拍子としての矜恃を持ちながらも、義経の身を案じ、恋い慕う女心を隠しきれない静の揺れ動く心を表現できればと思います。
Q3.鎌倉まつりに対する思いを教えてください。
鎌倉市民にとって鎌倉まつりは天下泰平、五穀豊穣、国民安堵を祈念する神事であり、春の盛りを満喫できる行事です。例年ですと若宮大路を進む武者行列やパレードを眺めつつ、「さあ、今年はどこを訪ねようかしら。」と心躍るイベントです。
Q4.鎌倉の好きな場所を教えてください。
あちこちの小路・小径が好きです。今小路界隈や鶴岡八幡宮を通り抜け、鎌倉宮へと続く小径など。通勤帰りに夕餉の支度の音が聞こえ、花の咲き競うお寺や家々のお庭を眺めながら散歩すると、心が和みます。
Q5.他に演目(「静の舞」以外)が観覧できる場所はありますか。
毎年、鎌倉能舞台や鎌倉芸術館などにて師匠花人主催の舞踊会(花人会)にて様々な演目を務めさせていただいております。本年の公演は5月22日(土)鎌倉芸術館にて行います。詳細につきましては花柳花人のホームページにてお知らせしております。
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