鎌倉駅東口を降りて若宮大路へ。
左手に立つのが二の鳥居。
朱もあざやかな鳥居は、
古都鎌倉の“王道ルート”の
スタートにふさわしいです。
段葛
ここではぜひ段葛を歩きましょう。
段葛造営にはある工夫が凝らされています。
それは「遠近法」。
実際よりも遠く長く見えるように、
先に行くほど道幅が狭くなっているのです。
一直線の参道がすがすがしく目に映るのは
そのせいかもしれません。
三の鳥居をくぐれば鶴岡八幡宮。
太鼓橋越しに見える緑の杜を背景に佇む社は、
鎌倉の象徴的風景のひとつ。
武家政権の数々のドラマは、常にここ、
鶴岡八幡宮を舞台に繰り広げられたといっても
過言ではありません。
境内には武士の神域ならではの
凛とした空気が漂っています。
頼朝の墓
木漏れ日が心地よい流鏑馬馬場を通って
鎌倉宮方面へ。
清泉小学校まで来ると
大蔵幕府跡の碑があります。
頼朝はこの地に侍所や公文所等の役所を構え
政治の中心地としました。
その先が頼朝の墓。
歴史に名を残す人物の墓にしては簡素ですが、
風雪を経た石塔には、
長い時の刻みが感じられます。
荏柄天神社
岐れ路の信号を左、荏柄天神社を過ぎて
突き当りが鎌倉宮。
明治に創建された新しいお宮ですが、
秋の「薪能」は鎌倉を代表する名物行事です。
祭神・護良親王が幽閉されたという土牢は
本堂の裏にあります。
鎌倉宮土牢
鎌倉宮を左に折れた先が、
鎌倉時代の風情をそのまま伝えている
と評される覚園寺。
拝観時間はあらかじめ決められているので
事前に確認しておきましょう。
今では数少ない茅葺屋根の薬師堂の前に立つと
中世から時が止まったままかのような雰囲気。
立ち去りがたい寺のひとつです。
鎌倉宮に戻り永福寺跡へ向かう。
往時の永福寺は平泉中尊寺などを模した
大伽藍を誇ったといわれています。
その二階堂は、周辺の地名「二階堂」の
由来にもなったとされています。
瑞泉寺
そこから右手に坂を登れば瑞泉寺。
杉木立のなか、境内につづく石段は
古刹の風情を醸します。
瑞泉寺といえば、早春の梅に始まり、
桜、キキョウ、ボタン、萩と
豊富な花暦で知られており、
境内は四季折々の美しさに満ちています。
花を愛でたら、
夢窓国師ゆかりの石庭を眺めましょう。
岩と水の簡素な庭は、
そのまま禅の心に通じています。
吉田松陰、大宅荘一、山崎方代など
文人たちの石碑も見どころです。
彼らの生涯に思いを馳せるのもおすすめです。