おまいりは早い時間にすると良いと、昔からよく言われます。
理由は、神様に心が通いやすいからだとか。
鎌倉では、早朝参拝ができる寺社が多く、
静寂をまとう境内でおまいりすれば、清々しい気分で1日を始めることができます。
朝ならではの凛と澄んだ空気や、おだやかな日の光に包まれるのは早起きした人だけの特権。
鎌倉へ「朝まいり」に出かけてみませんか。
contents
鶴岡八幡宮へ朝まいり。静けさに心が洗われる
日の出前、参道・若宮大路も静粛な雰囲気に
手水舎で身を清め、いよいよ本宮へ
輝く池の水面、源平池の美しさを知る
朝まいりのあとのお楽しみ。朝食、マルシェ、カフェ!
朝まいりは三文の得。鎌倉の朝を楽しもう
鎌倉のなかでも、特に参拝客で多くにぎわう八幡さまも、朝まいりができる場所のひとつ。
早朝はすれ違う人も少なく、ゆったりと参拝することができます。
参拝のあとは、おいしい朝ごはん、新鮮な鎌倉野菜が並ぶマルシェでのお買い物など、朝ならではのお楽しみもたくさん増えます。
また、鶴岡八幡宮のお守りや御朱印の授与は、通常8時30分からはじまるので、
授かりたい方は、朝ごはんやお買い物を楽しんだあと、一日の締めくくりにもう一度、戻ってくるのもよさそうです。
それでは、東の空があける直前の、普段とはちょっと違う雰囲気の鎌倉をご案内します。
まだあたりが暗い日の出前。
鶴岡八幡宮の参道である若宮大路には、昼間とは違う、ぴりりとした静寂が漂っています。
夜明けの薄藍色の世界。多数の灯篭が、まだなおともる段葛。
二の鳥居を抜け、おごそかでまっすぐの道を、ゆっくり歩きます。
三の鳥居を越えると、東の方角から差し込む、ひと筋の光が見えました。
やわらかな光を全身に浴び、心と体が浄化されるような…そんな心地さえしてきます。
手水舎の、キチンと並んだ柄杓を手に取り、冷たい水で身を清めましょう。
手水の作法も、神さまにお会いする前の儀礼として、いつもよりも意識して。
大石段を登れば、いよいよ本宮です。
姿勢を正し、二拝、二拍手、一拝。
静まりかえった本宮では、祈りの言葉も、神さまによく届きそうです。
行きには、すっと通り過ぎてしまった源氏池が、昇る朝日に照らされキラキラと眩しく光っていました。
繊細な影絵のように美しい、こんな景色に出合えたのも、朝まいりをしたおかげです。
観光客もほとんどみかけない、厳粛な、鶴岡八幡宮への朝まいり。
本宮参拝を終えて振り返ると、これから動き始めようとしている朝の鎌倉が見えました。
取材協力/朝食屋コバカバ
朝まいりのあとは、ほんのり明るい鎌倉のまちを気ままにさんぽ。
黒板の「おはよう かまくら。」の文字につられるように足を運んだお店では、
できたてのおいしい朝食が待っていました。
取材協力/鎌倉市農協連即売所(レンバイ)
鎌倉駅の近くで見つけた、鮮度抜群の野菜が並ぶ即売所では、
早朝収穫したばかりのみずみずしい鎌倉野菜をお持ち帰り。
どの野菜も大きくシャッキリしていて、元気いっぱいです。
取材協力/PARADISE ALLEY BREAD&CO.
即売所に隣り合う中央食品市場を覗いてみれば、開店準備で忙しそうなパン屋さん。
並んだパンは、なんとも美味しそう!
自分へのおみやげは、焼き立てパンにしてもよさそうです。
午前中の時間がたっぷり使えて、思いがけない出会いがあるのが「朝まいり」の魅力。
気になる場所に立ち寄りながら、八幡さまの参道を南へ辿り、由比ガ浜まで歩いてみるのも気持ちがよさそう。
大海原は深い藍色から紅色に、そして光輝く姿へと、日が昇るにつれ変化していきます。
また、海沿いには多くのランナーの姿が。
1日の始まりを海岸で迎えた人にしか見ることのできない、海まち・鎌倉の景色です。
せっかく「朝まいり」をするなら、夜明け前からがおすすめ。
日が昇るにつれ刻々と変化する鎌倉の姿を見れば、きっと「早起きして良かった!」と思えるはずです。
また参拝時間によっては、通学路になっている境内で、地元の子どもたちと行き交うことも。
鎌倉ならではの風景ですよね。進路を遮ったりしてしまわないよう注意しながら、あたたかく見守りましょう。
早起きは三文の得、といいます。朝だけの鎌倉の姿を楽しんでください。