えがらてんじんしゃ
【日本遺産003】
国指定史跡、国指定重要文化財(建造物)
福岡県の太宰府天満宮、
京都府の北野天満宮とともに、
日本三古天神に数えられる古社(諸説あり)。
朱色に塗られた社殿が華やかです。
社伝によれば、1104(長治元)年、
当時荏草郷と呼ばれた地に
一軸の天神像(菅原道真公 )が
天上から降りてきたのをきっかけに
創建されました。
里人はこの土地を踏むことを恐れ、
銀杏の木を神木と崇めました。
境内にそびえる銀杏がそれだと言われます。
源頼朝はこの地に幕府を開くにあたって、
鬼門の方角を守る神として
この神社を崇めました。
以後、各武家政権の信仰はあつく、
特に江戸時代には、社殿の造替(※1)は
鶴岡八幡宮若宮の古材を移築して行いました。
1590(天正18)年、
北条氏を下して小田原城に入った豊臣秀吉は、
鎌倉にも来てこの神社に参拝し、
徳川家康に命じて
社殿の造営をさせたといわれます。
徳川幕府代々の将軍もこれを崇め、
社領を寄進(※2)しました。
現在の社殿は17世紀の鶴岡八幡宮造替に伴い、
若宮の古材を荏柄天神社に移築したものです。
初天神は1月25日で
境内で筆供養が行われます。
学問の神・菅原道真に因んで行われる祭事で、
書家や歌人、俳人などが愛用の古筆を持ち寄り
これを神前で焚き上げて感謝します。
河童の漫画でよく知られた
故清水昆の愛用の筆もここで供養され、
境内にはかっぱ筆塚の碑が立っています。
また、その遺志を継いだ漫画家故横山隆一らは
1989(平成元)年に漫画家154人による
河童のレリーフが飾られた
絵筆塚を建てました。
受験シーズンには合格を祈る
受験生の参拝で賑わいます。
また、2月8日は針供養の日で、
拝殿前に置かれた豆腐に針を刺して
供養するために訪れる女性の姿が目立ちます。
※1 造り替えること
※2 社寺に土地や財物を寄付すること