ごりょうじんじゃ
【日本遺産005】
神奈川県指定無形民俗文化財
鎌倉市指定有形民俗文化財
鎌倉市指定天然記念物
江ノ電の踏切のすぐ脇に
御霊神社の鳥居が立っています。
源頼朝の鎌倉入り以前からあった
平安時代の武士・鎌倉景正を祀る
古い神社です。
はじめは関東平氏の鎌倉氏、梶原氏、大庭氏の
先祖の霊をまつっていましたが、
やがて後三年の役で活躍した
武勇が名高い平安時代の武士・権五郎景政が
まつられるようになりました。
地元では「権五郎さま」と呼び
親しまれています。
景政のことは『保元物語』等に
東北地方の金沢の柵(※1)の合戦で
左の眼を射られながら敵を討ちとった話が載っています。
また、景政は鎌倉武士団を率いて
湘南地方を開拓した領主でもあります。
毎年9月18日に行われる例祭では、
釜に煮立てた湯の中に笹を入れて
湯玉を散らす湯花神楽が行われ、
神輿の渡御もあります。
この神幸(※2)の行列の中に、
県の無形文化財に指定された
「面掛行列」が含まれています。
総勢10人は、前の8人が同じ衣装で
爺・鬼・異形・鼻長
烏天狗・翁・火吹男・福禄寿の面を付け
その後ろに黒紋付の裾模様に
おかめの面を付けた妊婦、
同じくおかめの面を付けた産婆が続きます。
いずれも男性が務めます。
この行列の由来は、頼朝の寵愛を受けた
村娘の一族が頼朝の側に仕え、
外出の際に面を付けて守護したため
といわれます。
この行列と御霊神社との直接の関係はなく、
もとは鶴岡八幡宮の神幸に出ていたもので、
それが御霊神社にうつされました。
面には1768年の銘があり、貴重です。
境内の宝物庫に保管されています。
※1 現在の秋田県横手市金沢にあった古代の城
※2 祭礼等に際し神体が神輿や御船代に乗って御旅所等に渡御すること